ヨハネの福音書21章15~23節

彼らが食事を済ませたとき、イエスはシモン・ペテロに言われた。「ヨハネの子シモン。あなたは、この人たちが愛する以上に、わたしを愛していますか。」ペテロは答えた。「はい、主よ。私があなたを愛していることは、あなたがご存じです。」イエスは彼に言われた。「わたしの子羊を飼いなさい。」
           ヨハネの福音書21章15節 (p230)

序 論)ティベリア(ガリラヤ)湖畔で主イエスは弟子たちの前に御姿を現わされました。(1、14) 
 主は岸辺で彼らのため朝食の準備をして待っておられました。彼らは主といっしょに食事をしました。
 食事後に主はペテロに問われます。
 主イエスとペテロのやり取りを通して示されることは…

本 論)
1.主を愛し、主の羊を牧する
 主イエスはペテロに「…わたしを愛していますか」と問われます。(15、16、17)
 弟子たちを最後まで愛し通された主がここで愛を問われたのです。(ヨハネの福音書13章1節p211)
    (「この人たちが愛する以上に」は「この弟子たちがわたし(主イエス)を愛する以上に」という意味)
 しかも三度もでした。ペテロは主から愛を問われて、心を痛めました。(17)
 かつて彼は主に「あなたのためなら、いのちも捨てます」と豪語しました。(ヨハネの福音書13章37節p213)
 しかし、彼はその誓いを破ってしまったのです。
            (ヨハネの福音書18章15-27節p222)
 「わたしを愛していますか」と問われて、ペテロは自分がしてしまったことを思い出さないわけにはいきませんでした。
 かつてのペテロであれば「はい、誰よりも、何よりもあなたを愛します」と答えたことでしょう。
 しかし、このとき、自分の弱さを知った彼はただ「…私があなたを愛していることは、あなたがご存じです」と答えます。(15-17)
 そのようなペテロに主イエスは赦しと癒しを与えてくださいました。
 そして「主よ、あなたはすべてをご存じです」と、すべてを主に委ねました。
 赦され、癒されたペテロに主は新しい使命を与えてくださいました。それは「子羊たち、羊たち」(新しく教会に加わった兄姉)を飼い、牧し、養うことでした。               (ペテロの手紙 第一 5章1-4節p471)

2.主に従う
 続いて主イエスは厳かにペテロの死について予告されました。(18-19a)  
 「あなたは両手を伸ばし、…」(18)は殉教することを意味しています。(後にペテロはローマで福音を伝え、兄弟たちを励まし、殉教したと言い伝えられている。)
 主は彼に「わたしに従いなさい」と言われました。(19b)
 ペテロは主が愛された弟子(ヨハネ)の姿が目に入り、「主よ、この人はどうなのですか」と尋ねました。(20-21)
 主は「…あなたに何の関わりがありますか。あなたは、わたしに従いなさい」と答えられます。
 ペテロもヨハネも他の弟子たちも「イエスが愛された弟子」です。
 ヨハネやペテロ、他の弟子たち、それぞれにふさわしい主に従う道があります。主はそれぞれに応じて良き導きをなされ、「神の栄光を現わし」てくださいます。

結 論)今日の礼拝の中で交読した詩篇22篇は主イエスの御苦しみを預言した詩篇ですが、十字架の死の後、復活された主を賛美する詩篇でもあります。(詩篇22篇22-31節p953)
 主イエスの成されたみわざによって「ちりに下る者」(死ぬべき者)が罪赦され、永遠のいのちに生かされ、父なる神様を礼拝する者とされています。(詩篇22篇29節)
 復活の主は今も聖霊とみことばによって私たちを訪ね、「あなた」(私たち一人ひとり)に語りかけておられます。
  ペテロに新しい使命が与えられたように、主は私たちにそれぞれふさわしい使命を与えてくださっています。
 主が私たちに求めておられることは自分に与えられた使命が何かを聞き取り、それを受け止め、従うことです。
 主からの愛、赦しと癒しをいただき、主に委ね、従い続けてまいりましょう。

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