ヨハネの福音書2章1~11節

それから三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があり、そこに
イエスの母がいた。イエスも弟子たちも、その婚礼に招か
れていた。
…イエスはこれを最初のしるしとしてガリラヤ
のカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子
たちはイエスを信じた。
                   ヨハネ 2章1-2、11節 (p.178)

 

序 論)主イエスは弟子たちと共に、ガリラヤのカナ(ナザ
レの近くの町)の婚礼に招かれました。そこには、主イエス
の母マリアも招かれていました。(1-2)
 婚礼の席上で起こったことと、主イエスの言動を通して
示されることは…

本 論)
1、主イエスの言われる「わたしの時」
 当時の結婚の祝宴はすべての親類、友人知人が招かれ、
一週間から二週間にも及びました。
(士師記14章17節p455参照)
 そこで客をもてなすぶどう酒がなくなってしまいました。
それは、結婚式に客を招待した花婿やその家族にとって大
きな恥となることでした。
 そのとき、母マリアは主イエスに、ぶどう酒がなくなっ
てしまったことを率直に伝えました。(3)
 主は答えられます。(4)ここで主がマリアに呼びかけら
れた「女の方」という表現は、主イエスが女性に対して呼
び掛けられる普通の言い方です。
            (ヨハネの福音書4章21節、8章10節 等)
 「わたしの時」は、主イエスが十字架にかかられ、復活
されるときを意味しています。
     (ヨハネの福音書12章23節、17章1節 等)
 主イエスのことばを聞いたマリアは給仕の者たちに主の
言われることに従うようにと告げます。(5) 彼女はあと
のことを主イエスに委ねました。
 この箇所でも示されているように主イエスは人間の願い
に従って働かれたのではなく、いつも神様のみこころに従
って歩んでおられたのです。

2、最初のしるし
 そこには、約100リットル入る石の水がめが六つ置い
てありました。(7)
 主イエスは奉仕の者たちに水がめ六つに水を満たすよう
に命じられました。(8)
 彼らは言われた通りに行いました。
 続いて主は彼らにそれを汲んで、宴会の世話係のところ
に持っていくように言われました。(8)
 そこに奇跡は起きたのです。水は最上のぶどう酒にな
っていました。(9a)
 すべて主イエスがなされたことだと知らなかった世話
係は、花婿のしたことだと思って彼を誉めました。(10)
 給仕の者たちは誰がなされたことか知っていました。
(「水を汲みし僕(しもべ)どもは知れり」(9)文語訳)
 主イエスはカナにおいて「これを最初のしるし」として
行われ、ご自身の栄光を現わされました。
 ヨハネの福音書の中で、イエスがなされた七つの「しる
し」が記されています。
 主イエスの「しるし」(奇跡)は、主イエスが神の御子、
救い主であることを証しするためであり、人を癒やし、救
うためになされました。
 どんなときでも主イエスはその御力を自分のために用い
ることはなさいませんでした。
 また、その御力は人間の思いや願いを満たすために用い
られたのでもありません。それはただ神様のご栄光が現さ
れるために用いられたのです。

 結 論)主イエスの弟子たちは、この「最初のしるし」に
よって、主を信じました。(11)
 ここで、主イエスを信じたのは、婚礼の場の花婿・花嫁
でもなく、マリアや世話役でもありませんでした。
 主イエスを信じたのは弟子たちであり、ここでの出来事
によって彼らはさらに主に従う者とされたのです。
 ここでの婚礼を祝福された主イエスは私たち一人ひとり
のことも祝福してくださるお方です。
 主イエスの祝福の中、主への信仰がさらに強められ、
主と教会に仕えてまいりましょう。

 (参考)

      絵画 『カナの婚礼』(1563年 制作)
         パオロ・ヴェロネーゼ(1528-1588)
                                        (イタリアルネサンス期の画家)

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